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ニューシングル『天使のスーツケース』オフィシャルインタビュー

5月15日、SIX LOUNGEがニューシングル『天使のスーツケース』を発売 。日本語ロックンロールの革命家にして、間違いなく次の時代の導火線に火をつける存在である。その飾らない第一声 をお届けしよう。

文:秋摩竜太郎

 

──スタッフさんいわく、この1年ほどでライブの動員が伸びたそうですが、実感としてどう捉えていますか?

ヤマグチユウモリ(Vo・G): 伸びたんですかね? でもワンマンツアーの会場がデカくなった気はする……そんぐらいの感じっす。

 

──昨年、ポイントとなったフェスや対バン、出会いなどはありましたか?

ユウモリ : 初めて生でエレカシ(エレファントカシマシ)を観れて。ビバラ(VIVA LA ROCK 2018)とライジング(RISING SUN ROCK FESTIVAL 2018 in EZO)で2回も。それはめっちゃデカかったです!

イワオリク(B):  俺はHEY-SMITHと一緒にツアーを回ったことですかね。めっちゃ怖かったけど(笑)、ちょっとは仲良くなれた気がしました。

 

──あとはこの間ね(3/10、本インタビューは3月末に実施)、ウエノコウジさんをはじめ、ものすごいメンツと演りましたね。

リク : 緊張して全然喋れなかった(笑)。でも写真撮ってもらいました!

ユウモリ : リクが打ち上げの途中、武藤(昭平)さん、ウエノさん、百々(和宏)さんとかの怖いオジさんたち(笑)の輪にがんばって入ったんですけど、捕われたネズミみたいに座ってて、すぐ顔が真っ赤になって戻ってきた(笑)。

ナガマツシンタロウ(D) : 俺は百々さんとは少し喋りましたけど。

ユウモリ : 俺も百々さんと少し。

リク : 俺も百々さんとは喋った(笑)。

 

──今回のリリースはシングルですけども、ここ数作はミニ・アルバムだったわけで、作り方に違いは?

ユウモリ:  去年のうちに曲はいっぱいできたんですよ。で、“どれにしよう?”って迷うポイントが多かった。どれもよくて。ミディアム・テンポのとか、Aメロ/サビ/ドーン!みたいなわかりやすい曲もあったけど、最終的には「天使のスーツケース」がいいんじゃないかってとこに落ち着いて。

シンタロウ:  ほかのはもうちょいあっためようってことに。

リク:  シングル感のある3曲が集まったかなと思います。バランスよく俺らっぽさがあって。

 

──ふたりは「天使のスーツケース」の、ユウモリくんが作る原形を初めて聴いたとき、どんな気持ちになりました?

シンタロウ:  昔のことすぎて全然覚えてない(笑)。

ユウモリ : たぶん一番前に作った曲なんですよ。『ヴィーナス』のときからあって。いつも通り、普通に家で弾きながらできました。考えてたのはアタマ。ミュートで刻んで入る曲がなかったから、そういうのを作りたいなってことくらいで。構成とかは全然違いましたけどね。いろいろ付け足して、“やっぱいらんわ”ってなり、メロディも変えた。あとは、ライブの1曲目にやりてえな、ミュートで始まる曲でスタートしたらカッコいいなってイメージがあったような気もします。けど、できてみて思ったのは、1曲目の感じではなさそう(笑)。

 

──中盤に挟みたい感じかもね。で、やっぱり形式にとらわれないとこが特徴だなと、もちろんセオリーは理解したうえで。メロディやコードが規則的すぎない。それはひとりでギターを持って、自分が気持ちいいほうへ展開させるからだと思う。っていうのは、カントリー・ブルースの本質を受け継いでるとも言えるんですよ。そしてハミ出し方が斬新だしね、メジャー7th の使い方とか。

ユウモリ : あ、そうっすね、なるほど〜。メジャー7th 好きなんですよね。

 

──歌い方も、クセがすごい!(千鳥風)感じが強くなってるし。

ユウモリ:  マジっすか(笑)。たしかにだんだん後ろノリになってる気はする。

リク : “(ッ)スー(ッ)ツケー(ッ)スに♪”って感じですよね、ザコシ(ハリウッドザコシショウ)くらい誇張すると(笑)。

シンタロウ : (笑)。

 

──「DO DO IN THE BOOM BOOM」はどんなイメージで作りました?

ユウモリ:  これはThe Birthdayっすね。Aメロのビートとか、ああいう感じで曲を作りたかった。Bメロとサビはもう後付けみたいな(笑)。

 

──ギターもフジイケンジさん感があるような。

ユウモリ:  ほんとはもう、フジケンさんが弾いてくれたほうがいいです(笑)。

 

──シンタロウくんはこの曲の印象どう?

シンタロウ:  好き。

リク:  俺も好きですね。

ユウモリ : このリフってちょいダサじゃないですか? そのクサい感じがいいなって。

 

──王道のニュアンスですよね。「Lonely Lovely Man」は?

ユウモリ : イメージ的には“照明”っすね。ドラムから入る曲をライブで演りたかったし、こういうリフの曲もなかったんで。で、サビは、フロアに向いてる照明が裏返って俺らにバーン!みたくなる感じで。

 

──すごいわかる。リフは7thから入るのがブルージィで、開放弦と絡めていくのはオルタナっぽいです。

ユウモリ:  GRAPEVINEのイメージですかねえ。でも誰かに “ELLEGARDENっぽい”とか言われましたけど(笑)。

 

──僕はBLANKEY JET CITYを感じるけど。

ユウモリ:  あ、たしかに開放の感じとかそうっすね。

 

──ドラムはどうやって作っていきました?

シンタロウ : スタジオで途中、ユウモリが“こんな風に叩いて”って言ったやつを自分なりにやったらあのリズムになって。普段なら思いつかない感じで、おもしろくなったなと思います。

 

──口ドラムよくやりますよねユウモリくん。

ユウモリ:  けっこうウマいんすよ(笑)。伝えたものとは全然変わりましたけど、カッコよくなったと思う。

 

──リクくん的に「Lonely Lovely Man」はどんな曲ですか?

リク : めっちゃいいなあって。もうライブでやってますけど気持ちいいです。ベースが目立つブレイク部分があるんで。

 

──3曲全部に言えるけど、ベースのスタイルが確立してきましたね。

リク:  そうっすね……今回のレコーディングは立って、勢いでいくぞ!って感じにしたので。あとはところどころオシャレなフレーズを入れて。ちょっとデコってみました(笑)。

 

──それがウネりを生んでてカッコいいです。ここからは歌詞の話をしましょう。「天使のスーツケース」を書いたときに考えていたことは?

シンタロウ:  なんか女目線の曲を作りたいなと思って。自分ではそういう歌詞を書いてるつもりだったんですけど、改めて振り返ったらあんまねえなと(笑)。

 

──部分的にならあるけどね、「メリールー」とか。

シンタロウ : そうすね。で、もともとあった曲の続きみたいな感じで書こうと思って。そっちは男目線なんすけど、今度は女目線のほうで。男目線は「SHEENA」 っていう、「メリールー」のシングルにしか入ってない曲。

 

──そうだったんだ。アネモネが出てくるのはなぜ?

シンタロウ : 好きだから(笑)。風が吹いたらすぐ傾くじゃないですか。そういうはかない感じがいいなあって。

 

──花言葉も“はかない恋”だしね。で、最後は《サヨナラしよう》なんですね。

シンタロウ:  でも、未来へ進む感じのイメージで。生まれ変わるじゃないですけど、新しく気分を入れ替えるような感じ。

 

──「DO DO IN THE BOOM BOOM」は、言葉の響きや勢いを押し出しつつ、一番思ってること、《風が吹いたら それが合図さ/生きてみたいと 最近思う》以降の部分をスッと入れていて。作詞の完成度が上がってきましたね。

シンタロウ:  ……最後の最後で……大事なところですね。

 

──「Lonely Lovely Man」はどんなイメージで?

シンタロウ: これはもう、よく書きがちな(笑)。

 

──ふと思ったのは、《くそったれ》と《I LOVE YOU》って一緒なのかもしれないなあということで。

シンタロウ : 結局どうなんだろうみたいな、よくわかんない感じではあります。近いようで、でもすごい離れてるような。そういう感じ。

 

──あと《Come on… Come on…/カモ、かも?》とか最高です(笑)。

シンタロウ : 最初は全部《Come on》だったんですけど、なんか飽きちゃったんで(笑)。

 

──その後、6月には6本のワンマン・ツアーが控えるなど目まぐるしい感じですけど、2019年をどんなふうに突っ走っていきたいですか?

ユウモリ: 今あっためてるのも含めていい曲がいっぱいできたんで、早く演りたいって感じですね。早く出したいし。そしたら自ずと、新曲の練習もするし、次のステップみたいな、階段を上っていけるんじゃないですかね。

 

──ステップなんて考え、まったく頭になさそうな印象だったけど、そういうことも取材で言うようになったんですね(笑)。

ユウモリ:  いやないっすよ、恥ずかしい!(笑)

シンタロウ : 俺は楽しくやりたいですね。それが目標。

リク:  最高の1年にしたいっすね!

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